2011年11月16日水曜日

ワカメの養殖@雄勝

11月13日(日曜日)に石巻市雄勝にohガッツの漁師さんのお手伝いに行ってきました。土曜日の夜中に出て日曜日の夜に帰ってくる強行日帰り?でした。

9月11日に5カ所同時炊き出しの帰りに雄勝に寄ったのですが、あの時と比べても雄勝周辺は大きく復興が進んでいる様子はあまりありません。あの時と同じようにがれきが山積みになり、廃墟となった場所には蜘蛛が巣を作っています。


今回はホタテの耳つり作業を手伝う予定だったのですが、自分は運良く??ワカメの養殖のお手伝いをさせてもらいました。

作業内容は、海上に渡してある太いロープ(写真でつってあるロープ)におもりと一緒に種ワカメがついたロープを巻き付けるというものでした。土曜日に同じ作業をしたらしく、その作業の残りをやりました。ところがベタ凪だった土曜に比べて、日曜日は海が荒れ、波も高く風まで吹く最悪のコンディション・・。ロープを束ねたり、おもりをつけたりするような作業を揺れる船上でしていると当然酔います(涙)しかも作業が終わるまで陸には戻れない・・。さすがに厳しい作業でした。
実は今回行ったワカメの作業も震災前には一人で出来るようなシステムがあったそうです。「俺の船はどこいちゃったんだろう・・。見つからないかな??」と話していた伊藤さん(ohガッツ代表)の顔はとても寂しそうでした。雄勝の海は養分が豊富なせいかカキ、ホタテ、ホヤ、ワカメなどが養殖されてきました。しかし津波ですべての漁具が流されてしまったため、ゼロからのスタートです。ホタテや牡蠣も基本的には手作業で稚貝をロープにつけるので、とにかく人出が必要です。

笑顔で写真に写っていますが、このときは船酔いを克服した後です。(克服方法についてはここには書けませんので、直接聞いてください)その前はとても写真を撮れるような気分にはなりませんでした。ちなみに後で跪いている青年は10月から漁師として働き出したマサキ君で、伊藤さんの甥っ子に当たります。海の様子を眺め得いるわけではなく、完全に船酔いしていて動けない状態です
Ohガッツの事務所脇から浜を見下ろした写真です。周辺にあった建造物は軒並み流され、コンクリートの基礎だけになっています。写真のすぐ右横には橋が架かっているのですが、橋のたもとには大量の瓦礫がありました。写真の真ん中あたりに写っている白い建物は、現在造っている途中です。
ohガッツの事務所は丘の上にあるので被害はすくなったようですが、隣の建物は半壊していました。


今回作業に参加させていただいたことで、漁師さんが様々な苦労をしてカキやホタテ、ワカメなどを育てていることを痛いほど知ることが出来ました。生まれたときから何不自由なく食べることが出来た我々は、食べ物がどのように出来ているかを知るチャンスがあまりになかったような気がします。飽食の時代なので、食べるものがあって当たり前の感覚なのでしょう。しかし実際に生産者の世界に足を踏み入れると、これだけの作業、苦労があっての生産物であることを改めて知ることが出来ます。学校の現場でも食育が叫ばれていますが、「食べ物を無駄にしてはいけない!」と口にするよりも、これだけの苦労があって作られているということを体験することの方が食育の価値があるような気がします。

毎回、ボランティアに参加するたびに自分が知らなかった世界を知ることが出来、成長することが出来ている気がします。引き続き、被災者、被災地に寄り添うとともに自分の成長のためにも現地に足を運んで行こうと思います。

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